「ナノコスメを知る 秘話6」の続きです。
前回は、
私なりの論点で
酸化チタンの皮膚内浸透の評価を・・・でしたね。
まず、皮膚の内部にまで成分が
導入されるかどうかを判断する場合
以下の条件を満たしているかどうかが
重要な論点になります。
1.分子量が相応に小さい事。(一般的には500以下程度)
2.皮膚細胞との親和性の問題。(バリヤを通過できるかどうか)
3.薬剤の化学的性質。
4.その成分を運ぶための、ドラッグキャリアシステムの有無。
以上のうちの3.は
医薬品に使われる成分のように
無条件で化学的に生体内浸透を果たす成分で
単独条件で達成されます。
クスリの有効成分がこれに該当します。
ただし、人間も含め世に存在する生物は
全て有機物なので
おおまかには有機物に限定されると
考えるのが一般的です。
そして4.も
よほど分子量が目に見えて膨大でない限り
これを成分に対して応用している場合は
無条件で皮膚内浸透が達成されます。
いわゆるマイクロカプセルや
リポソームといった製剤技術が
これに該当します。
それ以外の1.と2.については
双方ともに満たしていないと
浸透には至りません。
カンタンな例をあげますと
例えば水。
分子量は18ですから
1.の分子の大きさから言うと
誰がみたってラクラクでクリアです。
ナノレベルでどうのこうの・・・
なんてうんちく以前の問題ですね。
ここでツッコミを入れられないように
仮に、水は6個の分子が
ネットワークを作っているものだ!
(雪の結晶写真にもある、六員環ネットワーク)
と仮定したとしても
18×6=108
ですから、余裕です。
なら、水は生体内に浸透する???
ここでブログの読者さんならもう答えは分かっているはず。。。
次回に続く。