「ナノコスメを知る 秘話2」の続きです。
まずは一つ目。
紫外線遮蔽剤のナノ化技術についてです。
前回、書きましたように
これは紫外線遮蔽剤として活用されている
酸化チタンと酸化亜鉛を
ナノサイズ化した原料の事を指しています。
いわゆる、微粒子酸化チタン・微粒子酸化亜鉛と
呼ばれるものが、これに該当します。
ちなみにこの酸化チタン・酸化亜鉛ですが
実は絵の具の白色が、これです。
油絵に使用する油性絵の具が酸化チタン。
そして、水彩絵の具に酸化亜鉛が使われている事が多いですね。
これら着色剤として使われているものは
「顔料級」といい
粒が大きなサイズのものが使われています。
では、なぜこれらの原料を
こんなに小さな大きさにしなければならないのでしょうか?
それにはこれらの理由があります。
・ できる限り少量の配合で高い遮蔽効果を得るには
表面積を大きくする必要があるため。
・ 塗布した時に歌舞伎役者のメイクのように
お肌が白くならないようにするため。
・ 粉を塗りつけたような
カサカサな感触にならないようにするため。
シミ・シワの大きな原因となる紫外線から
しっかりとお肌を守りたいし
かといって、絵の具を顔に塗ったようには
なりたくないですよね。
もちろん、カサカサ粉っぽい使用感も絶対にイヤ・・・。
これが消費者のわがままなニーズというものです。
これらに応えるために
粒の大きさをナノサイズにまで小さくしたという訳ですね。
そして最近の技術では
そのひとつひとつの大きさを
できるだけ同じ大きさに
そして形もきちんと真円より近く揃えるという
優れた技術まで確立されています。
これが、その顕微鏡写真です。
大きさが小さく
普通の顕微鏡では粒がきちんと見えないため
これは電子顕微鏡で撮影したものです。
下のスケールを見れば分かるのですが
こちらはまだ数百ナノレベルの大きさの微粒子酸化チタンですが
今は数十ナノレベルのものも使われています。
さて、ではこうした目にも見えないほど小さな粉の粒が
お肌の内部にまで入ってしまったりしないのでしょうか?
例えば、毛穴から・・・。
次回は、その辺りのお話をしていきましょう。
続く。