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ビタミンC誘導体の総括 2011年版 その4(最終話)

ビタミンCのお話

いよいよ美白有効成分の花形
「ビタミンC」のお話は
最新の情報をお伝えして終焉を迎えます。

これまでのお話←コチラ

ここまで書いてきたビタミンC誘導体。
いかんせん、いずれもどこかにデメリットがあり
化粧品の成分として活用するには
必ずなんらかの足枷が存在しました。

今一度まとめると

素材そのものが酸化されてしまう。
水溶液中で酸化されやすく、高濃度で配合できない。
剤型に条件があり、アイテム種が限定される。
皮膚内で生のビタミンCへ分解されにくく、あまり効果が期待できない。

といった要素です。

そんな中
まさに起死回生とも言える素材が、業界に登場します。

この素材
メルマガをお読み下さっていた方は
既にご存じかもしれませんが
実はこの素材の開発元は
業界では誰も知る事ない
某弱小医薬品原料会社が開発したモノでした。

その存在は世に知られる事なく
大変高価な薬品として存在していましたが
これに目をつけたのが資生堂だったのです。

たまたまその存在を
数年前から知っていた私は
その素材をこっそり入手し
化粧品への応用研究を始めていましたが
偶然にもその資生堂が
独占契約を敢行するシーンに遭遇し
私の新しい研究課題の道を
断たれてしまう事になります。

そのいわくつきの素材の名前は
「アスコルビン酸エチル」です。

資生堂が数年前に美白のメイン商品
『HAKU』に有効成分として採用したのが
この素材でした。

この素材の特徴をあげると

素材の安定性が高い。

製剤への影響が少なく、応用範囲が非常に広い。

生体内での分解が容易。

分子内比率が大きく、低配合量でも効果が期待できる。

こうしてビタミンC誘導体の新しい道は
原料メーカーとの独占契約を武器に
資生堂の主力ブランドによって
独占されてしまったカタチとなりました。

* * *

さてこのお話
これがピリオドであれば
こうして皆さんにお伝えしても
ガッカリするだけでなんのメリットもないですね。

ところがある事がキッカケで
この不動かと思われたビタミンC市場は
大きく動きます。

資生堂がキーとなってしまったこのビタミンC市場は
皆さんも耳にした事のある素材の登場で
一転の期を迎えるのです。

それが今の『新HAKU』に採用される事となった
「m-トラネキサム酸」です。

つまり
資生堂はこのビタミンC誘導体を捨て
新たな美白理論に
方向転換する事となったのです。

これにより、アスコルビン酸エチルの
ブランド独占権は解除され
多くの中小ブランドにとって
ビタミンC誘導体の新時代がスタートしました。

まさに今、これによって「アスコルビン酸エチル」
あらゆる中小ブランドへの展開が始まっています。
ここ1~2年の間で
3%・5%・10%と濃度競争も激化しています。

さて、ここまでのお話を読んで
あなたのビタミンC誘導体の選択肢はいかに?

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この項、完
『第一話 美白の主役【ビタミンC】秘話』

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