前回「美白の主役【ビタミンC】秘話02」からの続きです。
ここで解決の大きな糸口となる
ヒントが生み出されます。
それは何かというと
生物が持つ「分解酵素」の存在です。
人間の体の中には
様々な物質を分解するための
あらゆる「分解酵素」というものを持っています。
この体内にある分解酵素のチカラを活用し
塩状態になった「アスコルビン酸××××」の
××××の部分を切り離させ
分解してアスコルビン酸に戻させれば
良いというわけ。
ところがこの分解酵素
実はやっかいな一面を持っています。
酵素がモノを分解するチカラというのは
それぞれの酵素によって
分解する対象物は限定されていて
なんでも分解できるというのではありません。
例えば
お酒を全く飲めない人がいます。
これは皆さんご存知ように
アルコールを分解する事ができない
体質だからと言われています。
実はこのアルコールを分解しているのが
肝臓の中にある「アルコール分解酵素」です。
生まれ持ってこの酵素が少ない方が
アルコールを分解できない体質の方
つまりお酒を飲めない方です。
他には
酵素配合の洗剤
というものがありますね。
これは衣服に付着したタンパク質や
脂質を分解する酵素を配合してありますが
それぞれに
プロテアーゼという酵素は
タンパク質を分解する「タンパク分解酵素」リパーゼという酵素は
脂質を分解する「脂質分解酵素」です。
こうして
衣服に付着するタンパク質や油分(脂質)を分解し
キレイにするというメカニズムです。
このようにそれぞれの酵素によって
分解できる物質はきちんと限定されており
他の物質を分解するチカラはありません。
* * *
という事で話を戻しますと
ビタミンCが塩になった状態ものが
お肌の中に入った後
塩の状態から
元通りのビタミンCに分解させるためには
皮膚の内部に持っている
分解酵素によって分解できる物質を
ビタミンCにくっつけてあげなければならない
という事になります。
つまり
アスコルビン酸××××の××××の部分は
皮膚の中に持っている酵素で分解できるモノを
選んでやらなければならないわけです。
そしてここでもうひとつ重要な点は
生き物によって体内に持っている酵素は
異なるという点です。
ようは
人間が持っている酵素でないと意味がない
という事ですね。
さてさて
ではいったいヒトの皮膚内にある酵素には
どんなものがあるのか?
そしてその酵素によって分解することのできる
物質とは何なのか?
はたまた
分解するための時間に問題はないのか?
(皮膚のターンオーバー28日を越えると、皮膚の外へ押し出されてしまう。)
さらには
実際にビタミンCに
それをどうやってくっつけるのか?
いよいよ話は
問題の核心に迫ってきます。