ビークラボ株式会社のサイトはこちら

難題が多い、CBDの化粧品応用

CBD102

週一で仲間ブログの記事も更新されます
チガウがワカル!? 新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

週3で異なる目線の美容記事をお届け


美里康人

【CBD】

話題性に反して

結構やっかいな成分というお話

ここ1年ほどの間に、掲題の成分名を目にした方は多いかもしれません。

【CBD(カンナビジオール)】

もともとが大麻草から得られる成分ですので、その話題性と効果については様々なところで取り上げられていますね。
また、法的な規制問題についても、麻薬取締法に抵触する可能性から摘発対象となった製品も多い経緯があり、それも話題になったひとつのキッカケかもしれません。

そんなCBDですが、すでにいまさら感もありますし、こちらのブログではその周辺のお話はさておき、これだけ話題性タップリなのになぜ化粧品への展開が進んでいないのか、その背景を記事にしてみたいと思います。

美容成分としての期待度

皆さんもご存じの通り、この成分はヘンプオイルなどにも含まれ、アメリカでは治療薬にも活用されていた経口投与薬剤としての効果が認められている成分ですので、皮膚への美容効果という面では治験がほとんどありませんでした。

そのため、美容効果面で疑問が残るという部分は、化粧品アイテムになかなか広まらない要因のひとつではあります。
とはいえ、これまでに話題になった成分でも、サプリメントの業界から派生してきたものも多く、流行という意味ではここはあまり関係ないでしょう。

例えば、NMN(ナイシンアミドヌクレオチド)なんかもそうですね。

まだ治験が少ないということは、逆にいえば美白やアンチエイジングといったあらたな皮膚へのエビデンスが得られる可能性もありますし、発展性に期待できそうなものですよね。
しかも、ここはユーザーの皆さんには分かりにくかったところかもしれませんが、CBDは植物エキスといった植物からの抽出液ではなく、純粋な100%薬剤というところに大きなポテンシャルがあります。

皆さんにも分かりやすい解説をするならば、こういうことです。

・「カンゾウ根エキス」

これは皆さんもよく化粧品の成分表示で見る美容成分と思いますが、甘草という植物から抽出されたエキスです。
一方で

・「グリチルリチン酸2K」

こちらもよく目にする成分と思いますが、こちらは上のカンゾウ根エキスに含まれ、そこから取り出した100%の薬剤ですので、有効成分という意味では全く濃度レベルが違うということになります。
もちろん、いずれも期待される効能は同じで、医薬品にもよく使用される有効成分のひとつです。

「バカにしてるのか!」と怒られるかもしれませんが、こんなイメージで理解頂けるでしょうか。

CBD

 

植物エキスと純粋薬剤とはこれだけの違いがあり、エキス成分は100%だったとしても有効成分の含有量はこの程度ですので、そこそこの配合量にしないと効果への期待は難しいと言えます。
以前に記事に書いた通り、植物エキス中の有効成分量は、一般的にメーカー公称値で平均して1%程度とされています。

ちなみに余談ですが、厚労省が発表している化粧品業界への指導要綱としては、美容成分はおよそ有効成分が0.01%以上含まれていないと全く効果が期待できないことを基準としています
ということは、つまりこういった美容成分の植物エキスの類いは、1%(1%中の1%で0.01%)以上配合しないと配合していることを標ぼうしてはならないと規定されています。

守っていないメーカーさん、多いですねぇ・・・。

「100種のエキス配合!」となると、全部がエキスの原液で設計されていないといけないことになりますよ。
そうなれば、エキスの溶剤のBGが50%で・・・と、あり得ないと誰でも分かっちゃいますので、微量しか配合されていないことが明白(苦笑)
ですので、そのような製品がよくないとアピールするつもりはありませんが、配合していることをPRしてはいけません。

と、お話が横道に行き過ぎました・・・。

で、戻りますが、CBD(カンナビジオール)もまさにこういうことで、大麻草から抽出したエキスからさらに取り出された純粋な100%有効成分ですので、コストさえ見合えば高濃度配合が可能になり、効果を訴求できる可能性を秘めているということになります。

市場はオイルばかり

CBD103

さてこのCBDですが、すでに市場で話題となってから1年あまりを経過していますが、いまだ化粧品市場では美容オイルといった、オイル系コスメがほとんどという状態に気付くでしょうか。
美容系展示会をみても、ほとんどがコレばかり目につきます。

実はこの現象、決して美容オイルアイテムが業界で流行しているというわけではありません。

以前から私達も公表している通り、すでにCBDの開発に取り組んで1年以上が経過し、美容オイルとして製剤化したコスメのモニタリングも数多くして頂いています。
すると、やはり“ベタつく・インナーが潤わない・テカる”といった使用感への不満が多く寄せられ、オイル特有の使用感はスキンケアの定番としては一般的でないということが見えてきます。

もちろん、スキンケアアイテムのひとつとして、美容オイルをケアにうまく取り入れられるユーザーさんのニーズが一定数あるのも事実ですが、日々の日常ケアとして取り入れるには課題があるというのは、ニュートラルに行うモニタリングの結果が物語ってくれています。

ダラダラと書いてしまいましたが、早い話が「化粧水はないのか!」「美容液はないのか!」「ジェルはないのか!」というのが、ユーザーさんの生の声ということですね。

「できない」課題

ここまでのお話で、頭のよいユーザーさんは気付かれたかもしれません。

 --もしかして、水モノアイテムはできないんじゃないの?

この推測をされたユーザーさんは、大当たり。
・・・とは言えない部分もありますが、ようは油溶性成分であることが大きな障害となって、化粧水をはじめとした水モノ化粧品は設計が難しいという背景があるということですね。

とはいえ、こんな事情くらいで業界の研究者がめげてしまうわけはありません。
そんなことでへこたれていては、化粧水に香料すら配合できませんから。

過去に業界で大ブレイクしたコエンザイムQ10にしたって、アスタキサンチンにしたって、同様に油溶性の薬剤でしたので、ここはオーソドックスに界面活性剤を使ったりといったテクニックを駆使し、定番コスメへの商品化は進んでいくのが定石です。
にも拘わらず市場に出てこないのは、他にも大きな理由がありそうですよね。

そのお答えは、「安定性が非常に悪い」ということに尽きます。

もともと美容オイル製剤でも非常に安定性がよくなく、選ばれたオイルに溶かさないと変質してしまうクセモノなんです。
ここはすでに不安定なまま商品化されたアイテムも市場に多く、ユーザーの皆さんは製品の色変化によく注意されて下さいね。
半年も手元に置いておかれると、かなり色が変わってしまって茶色くなるケースがありますので、お使いの方は手にとる時に留意されて下さい。

で、つまりはこういった性質の成分ですので、これが水の中に入ると一気に加速されてしまい、日にちの経過とともにピンク色といったとんでもない色に変化してしまうんですね。
しかもこれは紫外線といった光も触媒として働いているようで、蛍光灯下でさらにどんどん加速されるという、ひと癖もふた癖もあるやっかいな成分であることが判明しています。

こうなると、化粧品の研究開発に携わっている皆さんは、よほどの市場性でもなければ一気に逃げ腰になってしまうというのが、今のこの状況というわけでした。

以上が現状ですが、この期に及んで業界はどう推移するのか、ユーザーの皆様も興味深く観察していて下さいというのが、今回の話題でした。

これを踏まえて、研究開発者はさらに水モノ製品への展開のチャレンジをするのか?
それとも流行成分の定説通り、いずれ業界熱が冷めるのを見越して美容オイルだけで逃げ切るのか?

できない技術屋は口にしたくない、興味深いCBD事情の一端でありました。

と、こんなぶっちゃけ記事を書くと必ず言われます(苦笑)

 --美里はどうすんだよ!

う~ん・・・ちょっとまだ今は言えません。
割と卑怯なおやぢなので(笑)

ご承知のように、私達は業界ではかなり先駆で取り組み始めたのも事実ですので、近々なんらかの方向性を公表するかもしれません。
その時には、非難でもなんでも受け入れさせて頂きます。

ということで、また次回。

by.美里 康人

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です