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貴女のクレンジング、落ちていますか? その1

前回の記事では久々に暴言を吐きましたが
できるだけ、消費者目線に立てる業界になることを願ってのことと
業界人の方にはご理解頂きたいと思う次第です。

さて、記事の毛色を180度変え
今回は化粧品の機能を評価する方法について
書きたいと思います。

もちろん、成分をみて・・・といったアプローチも大切なのですが
化粧品の場合、推定配合%の読み解きまでとなると
処方設計経験者でもない限り
一朝一夕ではなかなか難しいものです。

分かった風な商品評価をされているブロガーの方々も散見されますが
まぁ、その・・・なんといいますか・・・。

また暴言を嗚咽しそうになったので
やめておきます(苦笑)

一応、ひとこと書いておきますと
私達の仕事は
全成分やその配列順では読み解けないところに処方設計の工夫を凝らし
他社製品との差別化を図ることです。

時には、製造方法や特殊な機械で
特長を追及することもあります。

ですので、私達でも全成分からは
その商品設計の特長を読み取るのはなかなか難しいですし
ある程度のアタリをつけて仮処方を組んでみて
さらに実際に試作を繰り返して探りを入れてみなければ
開発意図は見えてきません。

時に面白そうな他社さん製品のコピーをしてみることがありますが
そうした作業を何日も繰り返して
おおまかな推定をしていきます。

たくさんの業界研究者の方々の沽券(こけん)を守るために
これだけは、書いておきましょう。

で、お話は主幹に戻ります。

化粧品の場合、特に機能性コスメにいたっては
そこに対価を払っている限り
その機能が満たされているか否かは重要ですね。

そこで今回は
その代表選手である「クレンジング」をとりあげます。

フリー写真素材ぱくたそ
いまさら言うまでもありませんが
メイクがお肌や毛穴に残っていると
どんな良いスキンケア商品を使っても
意味がなくなってしまいますね。
なので、重要なポイントになりますy。

で、製品を裏返して成分を見る以前に
商品を手にしたら、必ず確認をして頂きたい「簡単評価法」です。

簡単といっても
私達も簡易的な試験として応用している方法ですので
かなり正確に判断できます。

画像で見て頂くには少々難しく
本来でしたら動画をアップすればよいのでしょうが
またそれはお時間のある時にでもチャレンジしてみます。

手順と画像で理解して頂ければと思います。
では、早速その準備です。

準備)
・基準となるファンデと日焼け止め
・食器洗剤
・テストしたいクレンジング

まず、この3つを用意して下さい。

ただ、ここでいう「基準となる・・・」
貴女が普段使用している製品ではありません。
市販製品で、比較的性能の高い製品を入手して下さい。
大手有名ブランドの売れ線商品が
間違いありません。
コスメカウンターでサンプルを頂いてきても良いでしょう。

日焼け止めであれば
資生堂のアネッサ辺りが基準になります。
我々業界人は、いわゆる「金アネ」※と呼ばれる
旧処方の金のアネッサを使用します。
※注)2019年現在、金アネは石けんでも落ちる処方になっています。

ここで疑問を持たれたかもしれませんね。

「なぜ、普段使っている製品じゃダメなの?」

業界の方であれば、自社の製品で試したいところでしょう。

でも、それではいけません。
なぜなら、自分が使っているメイク剤は必ずしも基準にはなりません
そのクレンジングの正しい性能が評価できないからです。

最終目的としては
普段使っているメイク剤に合えば結果オーライなのですが
それは、そのクレンジングの性能をあらかじめ知った上で
使うことをオススメしたいからです。

自分がどういう性質のメイクを使い
どういう性能のクレンジングを使っているのか
スキンケアの全体像を掴むのが目的
だからですね。

でないと、普段は使わないメイク剤や
日焼け止めを使わないいけなくなった時に
日常使っているクレンジングでは落ちていないといった
事態に陥るためです。

化粧品メーカーさんの方であれば
お客様が他社のメイク料を使うことは普通にあることですし
それも見越した性能を求めないといけません。

そして、これに普段から口紅・マスカラを使っておられる方は
その製品を用意して下さい。
こちらは、処方設計の大きく異なる製品をみつけるのが困難ですので
普段ご使用の製品で構いません。

では、手順に入っていきましょう。

【手順1】お肌のリセット

テストする部位は、手の前腕部の内側が良いでしょう。
なぜならこの部分の皮膚は
皮溝の深さもちょうどよく、綿密なためです。
もちろん、自分で見れてササっとテストできる意味もありますね。
手の甲は面積が狭いので、あまりオススメではありません。

まず最初に、テストする箇所の皮膚の
汚れや分泌した皮脂を除去しましょう。
それには、食器洗剤がもっともお手軽で間違いありません。

まかり間違っても
ボディソープや洗顔料などを使用してはいけません。
石けんカスが皮膚に残れば、無意味になります。

キレイに洗い流したら、しっかりとタオルドライして下さい。
濡れたままですとメイクがきちんと乗りませんので
乾いた状態にして下さいね。

【手順2】メイク料の塗布

前腕部内側に、用意したメイク料を塗布していきます。
指の太さ位に、それぞれのメイク料を重ねないように
横方向にしっかりと塗り込んでいきます。

ファンデと日焼け止めだけですが
こんな感じに。

アネッサは透明性が高く分かりにくいですね。
塗布部分は、赤い四角で囲んでいるところです。

口紅も、皮溝に入るようにしっかりと
そしてマスカラは
線を引くようにで構いません。

これで、1分以上は時間を置きます。
皮膚になじませるためです。

これで準備は整いました。
いよいよクレンジングのテストに入ります。
長くなりましたので
続きは次回に持ち越させて下さい。

では、また次回。

by.美里 康人

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