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「薬事法」という言葉は、もう存在しない?

皆さん、こんにちは。

北陸地方は、積雪がドえらい事になってますね。
多数のトラックが足止めを食らい、物流にも影響が出ているようですが
もうこれは仕方ないですね。

ネットで購入した商品が届かないといったトラブルもあるようですが
少し気長に待つ、気持ちのゆとりが必要かもしれませんね。

さて今回は、化粧品に関わる法律のお話ですが
既に皆さんもご存じの通り
昨年の11月に、「薬事法」という法の名称が変更になりましたね。

つまり、今は「薬事法」というのはなくなったという事です。
未だに使っている方は、おられませんか?

とはいえ、別に法律の内容が大きく改訂されたというわけではなく
単に呼び名が変わっただけですけれどね(苦笑)

改訂された名称は以下です。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

いやぁ、なんとも長ったらしい名称です・・・。
呼びにくいため、以下のように略して呼称するようです。

「医薬品医療機器等法」

いや、これでも長いよ~。。。
そういう場合はさらに略して

「薬機法」

という事です。

まぁ、消費者の皆さんにとってはどうでも良い事ですが
例えばインターネットなどで法律を調べようとした時は
間違わないよう、この言葉で検索をかけて下さいね。

逆に言うと
この美容業界で専門家を名乗る方の中に
今でも「薬事法がー」なんて語っている方がおられたとしたら

「怪しい。。。エセかも?」

疑ってみるべきかもしれませんね(笑)

さて話は変わり、その法の中身について。

とはいっても、上で書いたように大きく変わったわけではありません。
しかしながら、ここ数年で非常に厳しくなった事があります。

それは、皮膚への安全性について。
ようは、業界企業における取り組みのあり方について、ですね。

化粧品を作る・売るためには「化粧品製造業許可」
「化粧品製造販売業」のふたつの許可があります。

で、実際に作っている工場さんは前者の許可が必須なのは言うまでもありません。
そして、製造はOEM工場さんにお任せして販売しているだけのメーカーさん
さらにその中でも、商品に「製造販売元」として社名を入れたい場合は
後者の「製造販売業」の業許可が必要になります。
(「製造業許可」は不要です)

もちろん、両方の許可を得ていると、作る事も売る事もできますね。
ただし、ここで着目したいのは「発売元」の企業名表記。

これはあくまでも販売されているメーカーさんの企業名だけであって
一切の許認可は必要ありません。

という事は、責任も取らなくて良いという事???

問題はココなんですね。

これまでは、どちらかというと商品が市場でトラブルを起こした時は
全ての責任は、商品を作っている工場に負担が掛かっていました。

しかしながら、OEM工場だった場合には
実際に消費者に向き合っているのは、製造販売業をお持ちのメーカーさん。
なので、消費者からのクレームがあがってくるのはメーカーさんになります。

しかも、あんなモノを作ってくれ、こんなモノを作ってくれ、と
実際に工場に頼むのは、メーカーさんからの要望。

この現実を踏まえると、少なくても製造販売業をお持ちのメーカーさんは
それなりに責務があるはず、という事になってきています。

これまでは、消費者に自社製造であるかのように認識されたいため
非常に安直に許可を得る企業さんが多かった事情があります。
つまり、製造販売業の許可は製造工場が不要なので
実に手軽に許可が取れるわけです。

それこそ、一切の製造業務はOEM工場任せで
従業員二人でも許可が取れます。

そこで、それではいかんという事になってきたというわけです。

こうして、製造販売業の許可を持つ企業には
消費者に対する責務の比率がどんどん大きくなってきています。

特に皮膚健康被害に対する責任は非常に大きく
一瞬にして企業の存続に影響する裁判沙汰にもなり兼ねないため
安易に製造販売業の許可を取られた企業さんは
顔面蒼白の事態ですね。

日々集めないといけない情報収集だけに留まらず
消費者からの皮膚被害クレームにはきちんとした対応をしなければならず
全ての記録と厚労省への報告が、義務付けされています。

「う~んと、そんなに大変だった気はしないけれど・・・。」

と、担当者さんの声が聞こえてきそうですが(笑)
いえいえ、以前に許可を取られたその時には
大した事はなかったでしょう。

でもこの許可は、5年に一度更新をしなければなりません。
この時に、悲惨なメに合います。
現時点での要件を満たさなければ、更新を許可してもらえません。
私もここ数年で幾度か、そのシーンの業務に関わってきていますが
はっきり言って

しつこいです(笑)

「これでは、許可は下ろせないですねぇ・・・。」

都道府県の薬務課さんの言葉が、耳から離れなくなります。

そりゃそうです。
その場の、許可を下ろす、下ろさないの問題ではなく
毎日の運用(記録・調査・報告)が超重要なのです。
それが確約できる態勢作りができる企業でなければ
彼らは許可を下ろさないというわけです。

ぶっちゃけ、毎日その業務を担う専門の人材を一人必要とします。
(いや、当たり前なんですけどね・笑)

ま、ちょっと業界をカジった人を兼務で担当・・・。

なんて、企業態勢で許可を取られたメーカーさんは
更新の時に青ざめる事になります。

この歳までこの世界で生きてきた私でも
まっぴらごめん、です(笑)

では、今日はこれで。

by.美里 康人

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