週3で異なる目線の美容記事をお届け
美里康人
その是非の議論を見ないのはなぜ?
いまさらですが。
こちらのブログは何かに傾倒しているモノがありませんので、”合成がよくない“だとか、逆に自然志向の嗜好性に対して批判的なポジションをとっていません。
ブログの中核にあるポリシーとしては、以下といえるでしょうか。
・お肌にとって本当に健全であるスキンケアと化粧品の在り方
・化粧品業界が好きで、衰退せずに”正しく“発展すること
・キレイな女性が好き(笑)
既に皆様ご承知のように、これは私が経営している化粧品開発OEM企業としてのビークラボ株式会社のポリシーでもあります。
あ、3番目に至っては誤解を招かないようにお願いしたいのですが、容姿に関わらず基本的に健全なお肌の女性は漏れなくキレイと思っていますので、お肌を大切にしている女性は全て美しいというのがポリシーという意味ですね。
美人さんはもちろん大好きではありますが、そういった容姿の意味ではないこと、念をおさせて頂きます。
前置きが長くなりましたが、こちらのブログはそんなスタンスで正しいスキンケアと化粧品業界の在り方を問う指向性でもありますので、”ダメなモノはダメ“、”いけないことはいけない“ときちんと記してきているつもりです。
いえ、もちろん持論も含まれていますので判断が間違っていることもあると思いますし、私達が知らずに気付かなかったこともあると思います。
その時にはきちんと間違いを認め、是正する姿勢も大切にしているつもりです。
とにかく、日々進歩してどんどん改革をして、このグレー色にまみれた美容業界を変えていきたいという念のブログと思って頂ければよいかと思うのです。
この記事の目次
今の洗顔料は、ベストなのかベターなのか
そんな中でずっと提唱し続けてきていることが、洗顔料の世界の一件。
これまでの長いブログの履歴の中で、時に固有の業界から攻撃を受けたこともあります。 しかし、やはりお肌にとってベストとは言えない洗顔料の世界を、「これが良いのだ」とウソをつけない自分をごまかしたくはないのですね。
やはり、健全なスキンケアを目指すのであれば、石けんをベストな洗浄剤とはどうしても認められないのです。
最近はこの手の主張も抑えつつ、そんな不毛な議論をするよりも新しい洗顔料の開発にいそしむ方が健全だと、研究開発と情報収集に取り組んできました。
そんな折、たまたまひとつのブログにたどり着きました。
文章を勝手に転載すると権利を侵しちゃいますので、きちんとこのブログさんのリンクを置かせて頂きます。
■介助犬*留奈
https://ameblo.jp/momonyan-love/
かわいい介助犬のワンちゃんと、障害者であるブログ主さんの日々の出来事を綴っておられるブログなのですが、まぁそれはさておき。
こちらのある日の記事に、目が留まりました。
~~以下、コピペ~~
今日は私が使ってる石鹸の紹介です。
アトピーの人は無添加の石鹸を使いたがったり、薦められたりするけど
実際のところ、どうかな・・・と思う。
自分も長いこと無添加の石鹸が肌に優しい、と思って使い続けていたけど
洗い終わったらソッコーで肌が乾燥してピキピキになるし
湿疹はできるし、本当のところは疑問に思ってた。
ただひたすら、無添加=安全 みたいなイメージに縛られてた。
で、ある日、気がついた。
無添加の石鹸って、金属石鹸封鎖剤を使っていないから
肌に「金属石鹸(石鹸カス)」が残るんじゃない?
金属石鹸とは、肌上のミネラルと石鹸が結合してできる、金属状のカスのこと。
無添加石鹸を絶賛ベタ褒めサイトには、金属石鹸は分子が大きいから
肌から吸収しないし、刺激にもならないから無害だよ、と書いてあったりする。
いやーだめでしょー。健康でピンピンしてる肌ならともかく
ごく僅かな刺激でも炎症を起こすアトピーの肌に
石鹸のカスがいっぱい残ったらやばいでしょー。
無添加の石鹸は安全と思い込んでた頃の自分は、頭も石鹸で洗ってたけど
ある日、明るいところでマジマジと見て気がついたの。
フケとは違う、白いものがいっぱいあることに。
もうお分かりですね、それが「金属石鹸(石鹸カス)」です。
~~ここまで
いやはや、本当に何をするにしてもお勉強家なブログ主の方と見うけられます。
無添加ポリシーをずっと信じ込んで拘っていたけれど、フとある日立ち返ってみれば自分の判断の間違いに気づいた、と。
金属封鎖剤なんて、ご存じのユーザーさんはかなり希少と思います。
それは他の記事を読ませて頂いても分かるのですが、物事を常に理路整然と考えて行動をされているところが、実に好感の持てるブログです。
もしもこれをお読みになられて批判的な意見を持たれた方、決してこちらのブログ主さんを叩くなどと横暴なことをされず、私に意見を下さい。
(あり得ないと感じられるかもしれませんが、ブログ記事を読ませて頂くと、SNSで平気でそのようなことをされる方がおられるようです)
技術者として対応させて頂きますので。
で、本題のこの問題。
もちろん、健康的なお肌の方にとっては、特に取り立てて騒ぐほどの問題ではないと思います。 それは異論なくその通り。
いや、そんなこともないか・・・。
こんな課題もありますし。
ニキビの元になってやしないか
以前にもとりあげたことがありますが、ニキビにお悩みの方にはこの課題は大きな問題です。
確かにその昔はニキビも「青春の証」なんて言われた時代もありましたが、今やニキビ外来という医院もあるほど、深刻な問題。
おそらく食生活や文化の変遷も大きく影響し、その症状も大きく昔と変わってきている背景もあると思うのですが、昨今はすさまじいほどの症状でお悩みの方もおられます。
ヘタをすれば、部分的にしか出ないアトピーなんかよりもおひどい症状の方も見受けます。 これは、@cosmeなどのSNS(Q&A)を見てもよく分かります。
こうなると、本質的なところに目を向けないと解決の糸口が掴めません。
もちろん食生活といった日常生活を見直すことも大事ではあるのですが、スンキケアの在り方に大きな課題がないかと感じて止みません。
なのに、ブログ主の方もお書きなように、中には町医者のドクターが自社の自然派固型石けんをオススメしたりしているのです。
お医者さんではないですが、医療従事者(薬剤師)としてドクターとコラボして作ったとお書きなので括って取り上げると、このように説明されています。
■ドクターズオーガニック
https://www.doctors-organic.com/soap/gousei/kinzoku.html
石鹸の理論すら理解していない低俗なドクターもおられるので、そういう意味においてはきちんと石けんカスの理論をよくご承知なのでまだマシなのですが。
ただ、結論が「数時間で自然に分解されるから」とか、「うさぎの急性皮膚刺激性試験と眼粘膜刺激試験で無刺激という結果」とか、いい加減な論理で真面目に取り組んだ感を醸し出そうとしている作為が透けています。
そりゃあ、生成した金属石けんカスそのものに刺激などありませんよ。 中和された塩なのですから。 事の重要性はソコじゃないです。
微生物のエサになっていることはご存じなのですから、「常在菌が分解してくれる」などと都合のいい理屈でごまかさず、「菌のエサになっている」と素直になぜ言えない?
つまりイコール、ニキビの元となる微生物の栄養素が豊富となることは、誰の目にも明らか。
清潔を保とうと、懸命にお顔を洗えば洗うほど、菌の栄養素を補給していることになるのです。
ましてや、環境に流れ出した石けんカスの問題にも気付いていらっしゃる。
なにせ使用量がハンパじゃなく毎日大量に流出していますので、実はプランクトンの養分となって赤潮の要因になっているのではないか?といった議論も起きていますし。
ならば、素直に否定しましょうよ。
今はこれを解決する洗浄剤がないのであれば、声をあげましょうよ。
そして敏感肌・アトピーにとって
さてここまでは、”まぁ、健常肌であれば“といった条件をつけて見て見ぬフリもできるのかもしれませんが、このブログの方もお書きのように、もう敏感肌の方やアトピー患者の方を無視して石けんをオススメするのは止めなければなりません。
前にも書きましたが、私がその昔皮膚科でご担当頂いていた先生は正しくアドバイスを頂けるドクターで、私が”石けんで顔やカラダを洗うと死ぬほど痛いんですが・・・“と相談を持ち掛けると、”バカか、キミは! ぬるま湯だけでガマンしろ!“と怒られたものです。(口のお悪いセンセ。。。笑)
痛いのをガマンすれば治るかもしれない・・・石けん大好きな自分は、あさはかにもそんなことを思っていたものでした。
エタノールで傷口を消毒すれば”痛い!! けど、治るんだ“と思うのと同じ感覚だったのでしょうね。
有機アルカリは傷口に食い込んでむしばんでいきますので、そういう問題ではなかったのです。
目に入って沁みる現象は、ただ単に”ガマンすれば良いモノ“というのではないのですね。
健常肌であれば問題ないレベルということなのですから。
気付いても気付かないフリはズルい
今回は、私がこちらで理屈をこねても”美里がボヤいとる“くらいにしか思われないかもしれませんので、ことさら石けんをオススメされている(いた?)方が実際に気付いておられる記事をピックアップして、事の真実に迫ってみました。
いずれも、何かの実験やエビデンスで検証できる事柄ではありません。
ニキビという疾病にしても、例えばアルキル硫酸と石けんとを比較してニキビのできやすさの検証をするのも困難ですし、微生物が死滅したらしたで、常在菌との関係性が問われることになるのは目に見えていますし。(なのに清潔にしないとニキビができるとは、何を言っているのか・・・)
まして環境問題など、プランクトンくんにでも聞いてみるしか、答えを探る方法はありません。
なにより、今の化粧品業界で石けんを否定してしまうと、大きな問題が勃発してしまうのは、事の道理。
そりゃ、誰もしたくはないでしょう。
だって代替となりそうな洗浄剤は、泡立ちは悪いクセにコストは高い。 洗い上がりもツッパることに慣れている日本人はヤメられない。
そして結果、商品は売れない。
もっと言えば・・・あ、いや、ここの喧嘩になるお話は止めておきましょう。
いずれにしても難点に気付いている自分はズルい理論を提唱したくはありませんので、棺桶に入るまで否定し続ける美里でありました。
せめて、洗浄剤の改革がまだ届かないのだとするならば、石けんカスを除去するスキンケアを提唱されるメーカーさんが表れることを願っています。
では、また次週。
by.美里 康人