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あやさん からの書き込み(旧BBSより)
はじめまして。通りすがりのものです。
ちょうど化粧水を新たに探しているところで、「化粧水選択のコツ」は、大変参考になりました。
そこで気になったことがあります。
よく耳にする、
・化粧水はその成分のほとんどが水、保湿効果はほとんどない。だから極論を言うと使う意味も無い
という論(?)に関してです。目安として3000円台以上(おそらく180~150mlあたりの値段のことと思われますが)は浸透性が高く、化粧水であろうとも保湿効果は期待できる、つまり使う意味がある。
と言う風にとらえていいのでしょうか(逆に言うと、安物に関しては極論:化粧水は無意味、はまあまあ正しい?)?
化粧水を探していると、”化粧水なんて日本だけ、つまり本来意味の無いものだ”とあったりして、あ、いいな~と思う化粧水(高いです)も無意味なのかな?と悩んでしまい色々と煮詰まってしまっています。
個人的には、化粧水はやっぱり好きなんです…あや様、初めましてです。
こちらはユーザーの皆様の解放区のような場所ですので、商品の評価以外の事でしたら自由にご利用下さいね。
さて、あや様の疑問に対してのアドバイスになります。
>・化粧水はその成分のほとんどが水、保湿効果はほとんどない。だから極論を言うと使う意味も無い
これはまたすごい極論ですね^^;
必ず接点は見いだせるはずですから、結局接点のアドバイスができないから極論しか言えない訳で、ユーザーとしては極論など求めてないですよね(笑)
(なんだか最近、言葉遊びでごまかす方が多くて、読解力を有する人間からすると「この人は何を言っているのだ???」と感じる方が多いですね^^;)それはさておき、私なりのアドバイスに入りましょう。
まず、化粧水にはお肌に求められる機能が必ずあります。
それには、まずお肌の構造やメカニズムをよく知る事が第一で、この極論を提唱された方はめんどくさくてこのお勉強をなさっておられないのでしょう。分かりやすいところで、リンクを貼っておきましょう。
まず簡単なところでこちら
http://www.skincare-univ.com/article/000005/
次いで化粧品によるスキンケアをする上でのもっとも大切なのは、こちら
角質層:http://www.skincare-univ.com/article/000003/舞台裏は、ドクターまでもが宣伝で利潤を得ている法人運営ですので、あまりオススメなサイトとは思いませんが、この部分だけご活用下さい。
実はこの角質層の図で大切な部分が、意外と知られていません。
それは、お肌にとってもっとも大切な「水」の存在です。
もちろん皆さんは、全てのお肌の状態でもっとも大切なキーワードは水だとよくご存じのはずですし、これらの図を見て水(水分)はどこに存在しているか理解できたでしょうか?それは、細胞間脂質の脂質二重層(ラメラ)の間です。
この水分の存在箇所ともう一つ大切な点は、NMF(天然保湿因子)の存在です。さて、この存在を理解したところで疑問が生じてくるはずです。
「水分は外から入り込まないのであれば、単に水を塗布しただけではこの場所に補給する事はできないのでは?」
「この水分を維持するための天然保湿因子は、外に出ていかない?」この角質層の細胞間脂質は、アトピーの方を含め、乾燥肌の方、そして普通肌の方でも異常な乾燥状態にさらされていると、比較的簡単にめくれあがって欠損してしまいます。
もちろん、外部からの摩擦や刺激などによっても物理的に簡単に壊れてしまいます。
という事は、水分をこの部分にきちんと送り届けてあげなければ正常な角質層を維持できません。
また、細胞間脂質が欠損するという事は、同時にここの存在したNMFも欠損する事になります。という事で、これを補うにはどういった事が必要でしょうか?
ここに化粧水の必要な機能が含まれています。それは、「水分・NMFと同じ機能を持つ成分」の2点です。
そしてここで重要なのは、水分はそのままでは入り込まないので、角質層の深部に送り届けてあげる必要があります。
ですので、そのための「処方上の創意工夫(つまり、浸透性)」の、計3点となります。
これが、化粧水の基本設計です。ここで既に気付かれたかと思いますが、「油分をそのまま塗布したケアは?」の答えがおのずと見えてきますね。
つまり昨今流行りの「馬油やホホバ油のみのケア」です。油分では水分補給にはならない事は当然ですし、あくまでも皮膚表面を油の被膜で覆う事で、現在存在している細胞間脂質の間の水分を保持するのみに留まってしまう事は、説明の必要もありませんね。
このケアは、水分やNMF成分を補った後にフタケアとして必要なだけの事です。
それにはそれほど多量の油分を必要としませんので、極少量の油分、つまり保湿クリーム程度の事で十分に事足りるというわけです。それどころかさらに大切な事は、細胞間脂質のラメラ構造は、水分で壊れてしまう事は絶対にありませんが、多量の油分なら溶かし出してしまう可能性もある点です。
細胞間『脂質』という位ですから、これは油分にかなり近い性質の部分ですので、上から塗布された油分になじんでしまって洗顔の時に洗い流されてしまう可能性があるという事になります。
これは、オイルクレンジングが避けられてきているスキンケア理論と同じ事です。
細胞間脂質を洗い流さないようにオイルクレンジングを避けているのに、オイルケアをして細胞間脂質を取り除こうとしている(次回の洗顔で、細胞間脂質と一緒に洗い流されてしまいます。)わけですから、本末転倒という事になります。以上が化粧水の必要性のお話ですが、ここであや様の疑問の根幹に触れなければなりません。
『化粧水の機能の見極め』です。
以前は@cosmeでお値段をキーに設定しましたが、今回はもう一歩進んだ方法を提言致します。それは、手の甲に1滴垂らしてみる方法です。
水分を角質層に送り届ける機能(浸透性)が持たされていれば、水を垂らした時とは必ず違う広がり方(いわゆる表面張力の違いです。)をします。これは文字や言葉で説明するよりも、水道水と実際の化粧水を実際に垂らしてみてその違いを目で確認してみて下さい。
普通の水は、表面張力でぷっくりと丸い水滴になって手の甲にのっかる感じになりますので、すぐに分かります。
これと同じような感じだと、化粧水としては機能不足という事になるという訳です。
まぁ、ここがクリアされている化粧水であれば、その他の機能としてNMFの補充などは当然のごとく十分配慮されているはずですし、価値の見極めに十分な方法となるでしょう。
何度かやっているうちに、店頭に置いているテスター品を垂らしてみるだけで、そしてカウンターでも1滴塗布させてもらうだけでその性能判断ができるようになりますよ^^さて、ここでさらにもう一歩踏み込んで見極めをしたい方のために。
『浸透性機能はOKだったが、それをどういう成分で出しているか?』
これを課題にして下さい。
簡単なところでは、エタノールや合成界面活性剤でこの機能を持たせる事が可能になります。
でも、お安い化粧水であればさておき、3千円も5千円もする化粧水がこれでは困りますよね。
やはりお肌に影響を与えない成分で、この機能をなんとかしてもらいたいものです。
ここが、メーカーさんの腕のみせどころ、という事になります。
成分を少しお勉強されれば、この辺りの創意工夫の有無も見えてきますね。長くなってしまいました・・・。
本当にごめんなさいm(_ _;)mあやさん からの書き込み(旧BBSより)
お答え頂けただけでもほっとしましたが、私が聞きたいことをしっかり読み取ってくださり、一歩進んだアドバイス(そう、浸透性機能と成分です)も頂けて、大変驚きました。
頭の中の霧がはける感じでした。
お忙しい中、丁寧な説明ありがとうございました。 -
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