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使用中のクレンジングについて

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  • このトピックには3件の返信、1人の参加者があり、最後に美里により2年、 10ヶ月前に更新されました。
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  • #680 返信
    beek labo
    キーマスター

      渡邊さん からの書き込み(旧BBSより)

      メイクをした日に、シルキーズ という会社のクレンジングを使用しています。界面活性剤不使用で、アルギニンによるアルカリ性の性質を利用してメイクを落とす物だそうです。アルカリ石鹸は肌が痒くなって赤いポツポツが出るので使っていません。このクレンジングはたまに痒くなる程度なのですが継続作用するか迷っています。成分は以下の通りです。
      それと、クレンジングで特許を取得されたとのことですが、クレンジングの商品発売予定などありますでしょうか?


      グリセリン(基材、保湿、バリア改善)
      BG(基材、保湿、乳化補助)
      ペンチレングリコール(保湿)
      アルギニン(保湿、乳化補助)
      加水分解シルク(保湿、乳化補助)
      乳酸桿菌/乳発酵液(保湿、乳化補助)
      褐藻エキス(保湿)
      セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス(保湿)
      オウゴン根エキス(保湿)
      ノイバラ果実エキス(保湿)
      シャクヤク根エキス(保湿)
      ワレモコウエキス(保湿)
      トウキ根エキス(保湿)
      アロエフェロックス葉エキス(保湿)
      クララ根エキス(保湿)
      マグワ根皮エキス(保湿)
      オタネニンジン根エキス(保湿)
      カルボマー(増粘)
      ※コカミドDEA(界面活性剤、保護)
      グリチルリチン酸2K(保湿)
      アラントイン(保湿)
      PCA-Na(保湿)
      ※ココイルアルギニンエチルPCA(界面活性剤、抗菌補助)
      ポリクオタニウム-51(保湿)
      ヒアルロン酸(保湿)
      ※ 2種類の界面活性剤がありますが、これは洗浄機能の目的ではなく、化粧水に配合されている使用目的、つまり各配合成分の分散と安定性を保つためです。また油性分は無添加ですのでその分界面活性剤の配合量は少なく済みます。0.数%の配合率。

      #683 返信
      美里康人
      キーマスター

        渡邊様

        こんにちは。
        ご質問、まことにありがとうございます。

        当BBSのポリシーとしまして、↑に明記しております通り商品の評価(良し悪し)はさせて頂かない方針で運営させて頂いていますが、全成分と製剤から想定できる性能の傾向などを参考までに書かせて頂こうと思います。

        特にこういった機能性コスメは機能が製品価値になりますので、その辺りを推定させて頂いてご参考にして頂ければと思います。
        私自身が様々な市販コスメの開発を職務としておりますので、何卒ご理解頂ければと思います。

        で、本題になりますが、まずユーザーさんの立場に立って、標ぼうされている製品PRの内容に間違いがあるのは、指摘する必要があります。

        私も真意を確認させて頂きましたが、確かに「アミノ酸であるアルカリ性のアルギニでメイクを落とす」と明記されていますね。

        この部分、残念ながらこのL-アルギニンはアミノ酸である事には間違いありませんが、これはゲル化としての合成ポリマー「カルボマー」を中和するためのアルカリ剤として使用されており、この時点ですでにアルカリ剤としての機能は失われていますので、メイクの洗浄メカニズムとして謳われている機能は有していません。

        一般的に、この中和用のアルカリ剤には「水酸化Na」などが使われるところを、アルギニンに替えたという製剤になります。

        実際に、機能の説明をさらに読み込んでいきますと、「商品自体は弱アルカリ性」となっており、カルボマーのゲル状を維持しなければならない事から、およそ7.5前後のpHと推定されます。

        この領域は弱アルカリとは言わず「中性領域」ですので、アルカリ剤の持つ機能に期待はできません。

        ちなみに表示の位置関係が前の方にある事をアピールされていますが、カルボマーの中和のアルカリ剤にアルギニンを使うと配合量が多くなる(分子量が大きい事で)ため、前の方に位置する事になっているという理由です。

        これを踏まえて、おそらくある程度のメイク落とし効果が得られているのは、※印をおつけ頂いた「コカミドDEA」の方です。
        これはアニオン活性剤で洗浄成分ですので、()内の配合目的に?がつくことになります。

        この整合性は、ご自身でも確認する事ができます。

        ①水を足して泡立てネットでワシャワシャやると、少し泡立つ

        ②cosietic-info.jpさんか、美肌マニアさんのサイトでこの成分を検索に入れ、この成分が使用されている製品を調べれば、大多数がシャンプーの洗浄助剤に使われている事が分かる

        それから、加水分解シルクではメイクを落とす事はできませんので、ここは過度なPRと考えるべきでしょうか。

        以上ですが、かといってこの製品が安全性に問題があるといったことではなく、この製品でPRされているようにお肌への負担も非常に少ない商品と感じます。

        その一方で、これで市販のメイクがきちんと落ちるとは到底思えません。
        おそらくもう一つの製品の、洗顔フォームの方がはるかにメイクは落ちると思います。

        優秀なのは、むしろこの洗顔フォームの方ですかね。
        安全性もかなり高いと想定され、きちんと汚れも落ちて大手ブランドさんの石けん系とはきちんと差別化されていますし、付加価値も高いと思います。

        ただ、メイクを落とすためのクレンジングとしてはやはり弱いですし、日焼け止めや、シリコンが多い下地・ファンデを落とすには非力過ぎます。
        オーガニックなど、自然派系のメイク製品であれば対応は可能かもしれません。

        この辺りは、ブログの過去記事で正しくクレンジング製品を見極めるための記事をアップしております。

        ■貴女のクレンジング、落ちていますか?~その1
        https://cosmetic-web.jp/column/cleansing-4/
        ■貴女のクレンジング、落ちていますか?~その2
        https://cosmetic-web.jp/column/cleansing-5/

        一度、お使いのメイクでテストされて、お肌や毛穴に残っていないか確認されてはいかがでしょう。

        最後に私達が開発したクレンジングジェルを商品化頂けるメーカーさんが何社さんかあるのですが、申し訳ないです・・・。
        私の立場は公にしない事を原則にしておりますので、本当にすいません。

        中立を保つため、職務の立場をご理解頂ければ幸いです。

        #1022 返信
        シルキーズ 新井

          はじめまして、シルキーズの新井と申します。
          上記案件にあるクレンジングの発売元です。

          ご使用中のお客様から御社のwebサイトのことをお聞きし、私も拝見させていただきました。
          ここで書かれています商品が、当店のものであると明らかにわかり
          大切なお客様が今回の対応で不安視されていることを感じました。

          私も再確認を兼ねて、製造元の担当者に問い合わせをしました。
          クレンジングのジェルPH規格値は8.8~9.8、中心値9.5と回答を得て間違いなく弱アルカリ性で、
          アルギニンの特長を利用していることに間違いありません。

          さらに「その一方で、これで市販のメイクがきちんと落ちるとは到底思えません」
          という評価につきまして、異論を申し上げる次第です。

          確かに人によってはメイク落ちが悪いと感じる方がおられるのは事実ですが、
          メイク落ちがよいと評価をいただいているのも事実です。
          メイク落ち度が良い悪いに関しては他の商品でもいえることですし
          また基準は人によって違うはずです。

          御社のサイトをご確認させていただきましたところ、コスメ専門家の立場でいらっしゃる方かと存じます。
          本の出版やコスメ研究などの実績があり権威ある立場の方から、
          「落ちない」とか「弱アルカリではない」と断言されますと
          今後、ご愛用中のお客様がもし読まれましたら不信や不安を持たれ、こちらの対応も大変です。
          何度も言いますが、当店の商品であると分かり、当商品の内容に的を絞っての評価だからです。

          それとシルクアミノ酸がメイク落としに関わっている表現は過度なPRである指摘につきましては
          言われている通りと思います。
          シルクコスメを特長としている関係でシルクにも含まれるアミノ酸「アルギニン」を誇張したかったのですが、
          この点は反省し、削除いたしました。

          「シルキーズ クレンジング」、「シルキーズ化粧品」
          というキーワードで検索しますと御社の「使用中のクレンジングについて」といタイトルが1ページ目に表示されます。
          これらはリピーターのお客様、また関心のあるユーザーさんが検索されるワードで、
          これからの販売実績に影響がでないとも限りません。また今後対応に追われるかもしれません。

          以上ですが、今回の私の意見につきましてはどのようにお考えでしょうか?
          御社のご意見をお聞かせください。

          誠意あるご対応、ご返信をお待ちしてます。

          #1027 返信
          美里

            新井様

            ご意見、ありがとうございます。

            御社の製品に対する評価と繋がる解説になってしまい、そこは申し訳なく思う次第です。
            ただ、ユーザーさんに対してニュートラルなスタンスを貫いております処方設計者としましては、ご覧頂いております消費者の皆さんに虚偽をお伝えするわけにはいかず、そこはご理解頂きたく存じます。
            まことに申し訳ございません。

            ご意見を求められましたので、答えざるを得ず正直に返信させて頂こうと思います。

            アルギニンでpHが中央値9.5との事です。
            これ、実はアルギニンは弱塩基性物質ですので、仮に1%以上も配合したところでpHは水酸化Naや水酸化Kなどのような強塩基性物質が示すpH14といった数値にはなりません。
            なので、製造元さんが回答されたように、確かにこの数値そのものは弱アルカリ性という認識で間違いありません。

            ただ一方で、ここでもしもこのアルギニンで仮にメイクがある程度落ちるアルカリ量にしようとすれば、この配合量程度ではメイク落ち性能に期待はできません。
            これはpHの問題はなく、「アルカリの強さ」で決まるためです。
            (pH数値とアルカリの強さは一致しません。 ”アルカリ電解水”のブログ記事をご参照下さい)
            ご説明が難しいですが簡単に言いますと、アルカリや酸の「強さ」はpHの数値ではなく、「反応の強さ」で決まるんです。
            pH2の酢が普通に飲めるのは、「塩酸や硫酸などと違ってあまり強くない酸」だからです。

            つまり、アルギニンでメイク落ちを達成しようとするならば、カルボマーの中和限界をはるかに超えて粘性が全く失せてしまいますので、ゲル状にはなりません。
            なので、私達がみれば処方を拝見しなくてもアルギニンの配合量はある程度推定できてしまうという事なんです。
            早い話が、カルボマーでゲル状を維持している時点で、アルカリ剤によるクレンジング機能はないという結論になるわけです。
            さらにいえば、このpHの一部は「コカミドDEA」から来ているものだと推定されます。

            もしも市販のファンデがきちんと落ちるレベルを求めるのならばアルギニンを多量に配合しなくてはならず、そうなると粘度が全く失せてしまうというわけです。

            それから、確かにメイク落ち機能は判定のものさしがあるわけではありませんが、「市販のメイク」と記しております。
            逆にいえば、例えば「オーガニック系メイク」だとかに指定されれば良いように感じます。
            もっとユーザーさんに対して親切にするならば、「市販の日焼け止めは落とせません」といった文言を入れておくとか。

            以上ですが、取り急ぎ安全性には触れませんでしたし、クレンジング機能だけに絞って正直なコメントをさせて頂いたつもりでしたが、御社の言い分に対してご意見をとの事でしたら、さらに書かなくてはならない事も出てまいります。

            実はアルギニンは弱い塩基性物質で、アルカリ物質としてはあまり強くなくてお肌にダイレクトな刺激は与えないという利点がありますが、一方で有機物というマイナス要因も持っています。
            つまり、水酸化〇〇といった無機アルカリと違って、お肌に残存するリスクが高くなるわけです。

            例えてご説明するとすれば、「激落ちくん」という雑貨洗浄剤がありますよね。
            あれって水酸化ナトリウムですので、目に入ると失明の可能性もあるほど強いアルカリ物質です。
            一方で手指に付着したところで、きちんと洗い流してしまえば全く皮膚には残りませんので、用法さえ守れば無害という事ができます。

            ということで、一部でムズ感といった評価がある通り、皮膚生理面でいえば洗い流しても皮膚に残留している可能性も否定できません。
            それはココイルDEAにも同じ事が言えます。
            なので、一般的に水酸化〇〇といった無機アルカリでカルボマーの設計をするのは、実はそういった化学的背景があるんですね。

            もちろん、カルボマーの中和に使用されているだけ(中性域)でしたらそのようなリスクもなく、最初の解説のように安全性は高いと評価させて頂いたのに、こうしてpH9以上でアルギニンのアルカリを主張されるのであれば、むしろ今度はこういった議論も必要になってまいります。
            ちなみにアルギニンはヒトにとって必須アミノ酸ではありますが、だからといってフリーの状態で皮膚に塗布して良いという短絡的スキームにはなりません。

            それと、むしろこちらからご質問させて頂くとすれば、製造元様から「コカミドDEA」についての所感コメントはございませんでしたか?

            最後になりましたが、弊社はユーザーさんの味方であると同時に、もちろんメーカー様の味方でもあります。
            ここは誤解されないようにお願いしたいところです。
            この製品に関してはこうした事態になっておりますが、メーカーさんとしてコレを正義とするビジネスが本当に正しいかどうかを、長いスパンで熟慮される事を望んでおります。
            良い製造元さん(OEM会社)は、メーカーさんに虚偽にあたる説明をして自身を擁護したりしません。
            良い製造元さんを選定される権利は、メーカーさんにあるのではないでしょうか。

            美里康人

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